毎朝できる!最高な一日にする魔法の言葉
死ぬ準備ができている
“Sono pronto a morire”(伊語 : ソーノ・プロント・ア・モリーレ)
直訳をすると「私は死ぬ準備ができている」という意味になります。
私がこのフレーズを見つけたのは、トスカーナ州のピサ郊外にあるチベット仏教センターの、あるお坊さんの部屋の扉でした。
このフレーズが言いたいことはなんでしょうか?
チベット仏教では輪廻転生が信じられています。すべての生き物はいつか死を迎え、新しい肉体に生まれ変わる。それを何度も繰り返すのです。
死は必ず訪れるけど、いつ訪れるかは分からない。
その「いつか」に備え、「その時」がいつ来ても良いように準備をする。
その教えを理解したお坊さんが、自分自身に言い聞かせるように、常に目に見える場所に掲げたのが冒頭のフレーズというわけです。
「死ぬ」なんて怖くない!
遠くインドからチベット仏教を教えるためにイタリアへやって来られたチベット仏教の高僧の先生たちと、実際にお話をする機会に恵まれました。
その先生たちはいつも笑顔で、こちらが驚くほど大声で笑うときもあります。まるで赤ちゃんの笑顔のようです。ピュアな心で笑っているのです。
なぜ彼らはいつも笑顔なのでしょうか?
それは、彼らは死ぬことが怖くないからです。たいていの人にとって、老いや病気は何かを失うことです。そして、死は全てが無くなることを意味しますね。その不安で動揺することが日常的ではないでしょうか。でもお坊さんにとって、死は来世への通過点でしかありません。
より良い来世を迎えるために、今世で徳を積み、旅立ちの瞬間がいつ来ても良いように、老いや病などを受け入れ、その日、その瞬間をしっかりと生きる。
先生たちと接するうちに、未練が無い人は心が穏やかで、自然と笑顔になるのだと理解するようになりました。
生きていることに感謝
「人はいつか死んでしまう。だけどそれは今じゃない」
そう思う方が多いのではないでしょうか?
でも「今じゃない」とどうして言えるでしょうか?
どんなに若くても、どんなに健康でも、心臓は突然止まってしまうかもしれません。事故や事件に遭って、強制的に止まってしまう可能性もあります。
あなたの心臓は、今奇跡的に動き続けています。でも、それはいつか必ず止まる時が来ます。
お坊さんのように、常に死を迎える準備をすることは簡単ではありません。日々の鍛錬の成果でしょう。同じ境地に至るにはかなりの時間を必要とします。でも私たちにも死を意識して、今日を精一杯生きる方法があります。
先生が教えてくれました。
「来世への準備ができるのも、今こうして生きているからです。生きているからこそ考え、行動に移す事が出来るのです。生きていることに感謝してください」
微笑みながら続けます。
「毎朝目覚めたらまず、目を覚ましたことに感謝してみてください。『今日も生きている。一生懸命生きるチャンスをありがとうございます』と」
今日できることを、来るか分からない明日に先送りするのをやめましょう。
しばらく電話していない親に連絡してみてはどうですか?
喧嘩をしてしまったパートナーや友人に、ごめんねって言ってみましょう。
それができるとき、あなたの心はきっと穏やかなはずです。そして、きっとものすごく良い笑顔を浮かべているはずです。
最後になるかもしれない今日、1秒たりとも無駄にする時間はありませんね。